NMW-Systemの概要
このページには、NMW-Systemの次のようなことが書いてあります。
- NMW-Systemの概要
- NMW-Systemの構成
- NMW-Systemの動作環境
- パッケージの内容
- インストール
- 著作権
- NMWのついての連絡先
NMW Systemは、ネットワークワームをネットワークの管理に利用す
ることを目的として開発されたシステムです。ネットワークワーム
(以下ワーム)とは、ここではネットワーク上を自律的に移動し、作業
をおこなうプログラムのことを差すことにします。NMW Systemでは、
ワームをネットワークの管理という特化した目的に用います。
ネットワークワームを管理に用いると、次のような利点が生まれます。
- ・ネットワークを移動しながらの調査・分析・制御が可能。
移動しながら情報を収集することで、複数のホストに対し、
個々の 状況に応じた作業をすることが可能です。
- ・管理作業に必要な通信量の削減。
管理に必要な情報のみをワームが選別するので、
作業時の通信量を削減できます。
- ・ネットワークに障害が起きたときの柔軟な対応。
ネットワークに障害が起こり切断されてしまった
場合などでも、ワームの判断で障害に対応することが可能です。
NMW Systemはワーム本体と3つのワーム支援系から構成されます。
ワーム本体はowl(後述)というインタプリタによって解釈、実行され
るプログラムです。ワーム本体は、ワーム支援系によって配送される
ことで、ネットワーク上を移動します。
ワーム支援系は以下の3つのプログラムから構成されます。
- wsd(ワーム支援デーモン)
- OWL(ワーム実行インタプリタ)
- wormc(ワーム制御インタフェース)
wsdは、NMW Systemの中心となるプログラムです。ワーム本体やワー
ムの実行結果、および制御メッセージは、wsd間で交換されます。
OWLは、scheme(lispの方言)をもとに独自の拡張を施した言語処理
系です。このパッケージではOWLの実体はscm(schemeの処理系の一実
装)です。wsdはワームを受け取るとOWLを起動します。OWLは、細かな
作業をするために、いくつかのperlのスクリプトを外部に持っており、
必要に応じてそれを呼び出します。これらのスクリプトはschemeの関
数という形で、ワームが利用できるようになっています。
wormcはユーザがwsdを操作する為のインタフェースプログラムです。
ユーザはwormcを用いてワームの実行、制御メッセージの発信ができ
ます。wormcは自分のホストのwsdに対してのインタフェースのみを提
供します。
また、実行結果の確認は現在のところ、結果が記録されたファイル
を直接見る以外に方法がありません。
現在、NMW-Systemは、以下のOSでの動作が確認されています。
- NEWS-OS 4.2.1R
- SunOS 4.1.3
- BSD/OS 2.0
- BSD/OS 1.1
- FreeBSD 2.0
また、NMW Systemを利用するためには、このパッケージ以外に、以
下のものが必要です。
- scm(R4RS) version 4e0 (4e1)
- perl version 4.0
(開発は、scm 4e0, perl 4.0のもとでおこないました。より新しい
バージョンでの動作確認は行なっておりません。)
これらのソフトウェアは多くのanonymousFTPサイトで入手可能です。
このパッケージを展開すると、以下のファイルとディレクトリが作成されます。
- README.1st
- このファイルです。
- INSTALL
- インストールガイドです。
- Makefile
- 各OS共通のMakefileです。
- etc
- wsdの設定ファイルがあるディレクトリです。
- man
- マニュアル類のディレクトリです。(作成中
です。もうしばらくお待ちください。)
- owl
- OWL関係のファイルがあるディレクトリです。
lowlevel.scmは、scmの起動時に読み込まれ
る関数です。
- owl/bin
- OWLから呼び出されるスクリプトなどの実行ファイルです。
- src
- ソースのディレクトリです。
各ファイルの内容については、
src/README.srcを参照してください。
- samples
- ワームのサンプルのディレクトリです。
各ファイルの内容については、
README.samplesを参照してください。
インストール方法については、INSTALLを参照してください。
NMW-Systemの著作権は以下の3者が有しています。
- 清水 亮博
- 東京工業大学大学院 情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 大野研究室
- WIDE Project
NMW Systemの複製、再配布は原則として禁止します。やむを得
ず複製、再配布する場合には、必ず御連絡ください。
NMW Systemに変更を加える場合には必ず当方に御連絡ください。
NMW Systemを利用した結果なんらかの問題、損害が生じても、
当方は一切の責任を負いません。NMW Systemは、各人の
責任において使用してください。
NMW-Systemに関する質問、バグレポート、その他各種連絡のために
NMW-Systemのメーリングリストを用意しました。
参加を希望する方は以下のアドレスまでご連絡ください。
- nmw-users-request@is.titech.ac.jp
なお、登録等は手作業で行ないますので、対応が遅れる可能性があ
ります。ご了承ください。
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成田哲也 Tetsuya NARITA
(narita@is.titech.ac.jp)