WIDE版Internet FAXの概要

我々WIDEプロジェクトと東京工業大学はフリーソフトウェア版実装者として
FaxConnect1に参加しました。

1. 特徴

WIDE版InternetFAXはRFC2305で規定されたIFax deviceの機能をもちます。
e-mailメッセージの送受信、受信したメッセージの印刷、OfframpGatewayの機
能を有します。単体としてメールサーバとして機能するので、直接e-mailメッ
セージを送信することも、メールサーバからPOPを用いてmailをとりだすこと
も可能です。私達は従来から用いられているハードウェア、ソフトウェアを積
極的に採り入れるという方針でWIDE版インターネットFAXを開発しました。こ
のことは、開発コストを下げただけでなく導入や運用を容易にすることにもつ
ながり、インターネットFAXの普及にも役立つと信じています。WIDE版インター
ネットには以下に示すような特徴があります。

  ・安定性と信頼性

WIDE版インターネットFAXは、PICKLES SYSTEMというOSの上に実装されていま
す。PICKLES SYSTEMはBSD/OSをベースにしたOSです。BSD/OSはインターネット
サーバとして世界的に利用されており、その安定性と信頼性には定評がありま
す。また、WIDE版インターネットFAXはqmail,ghostscript, HylaFax, fetchmail
など、既に広く普及しているソフトウェアを利用しています。これらのソフト
ウェアの安定性と信頼性は、その普及の度合が証明しています。

  ・柔軟性

WIDE版インターネットFAXはさまざまなプリンタやファックスモデムに対応し
ています。またノート型やデスクトップ型など多様なハードウェア構成で稼働
できる柔軟性を持っています。もっとも小いさくて軽量な構成はFax Connect
1の会場で目にすることができるでしょう。また、PICKLES情報キオスク上で動
作するWIDE版インターネットFAXは、WWWサーバやmailサーバ、IPルータとして
機能することもでき、一台で組織内で必要とされるサービスの多くをまかなう
ことができます。これはSOHOなどでの利用では経済的な上、サーバ管理の負担
を減らすことにもつながります。

  ・セキュリティ

WIDE版インターネットFAXは高いセキュリティを持っています。FAXやe-mailの
特定の宛先からの受信拒否や、一度に受け付けるメッセージのページ数の制限、
FAXへの発信制限などを任意に設定できます。WIDE版インターネットFAXでMTA
として用いているq-mailのセキュリティの高さは良く知られています。また、
キューイングの機構によって、一度に多数のメッセージが到着した場合でも、
安定した動作を保証します。

  ・拡張性

WIDE版インターネットFAXは機能の追加を容易にするために、外部のモジュー
ルとの通信機能を独自に持っています。この機能を使ってさまざまな入出力イ
ンタフェースを追加することが可能です。例えばJavaやCGI-binを用いたクラ
イアントや、PDAでの入力を中継するクライアントなどが挙げられます。ま
たこのポートを用いて複数のWIDE版インターネットFAX同士が直接通信する機
能も実現できるでしょう。将来的にFull-mode Internet FAXへの拡張を行なう
際にも、この機能を用いて容易に実現できるでしょう。

  ・PICKLES情報キオスクの上で稼働

WIDE版インターネットFAXは我々が開発しているPICKLES情報キオスクの上で動
作します。PICKLES情報キオスクはハードウェアとソフトウェアともにモジュー
ル化を推し進めることで、高い保守性を実現しています。また超小型の携帯端
末との連携を考えた情報キオスクであり、超小型携帯端末上を用いての
InternetFAXメッセージの受渡しといった応用の可能性ももっています。

  ・フリーウェアとして配付予定

WIDE版インターネットFAXはフリーウェアとして配付予定です。世界中の誰で
もがWIDE版インターネットFAXを入手し、インストールし、運用することがで
きます。


2. システム構成

ハードウェア構成

WIDE版インターネットFAXはPICKLES情報キオスク仕様書の規定の範囲内で
自由度の高いハードウェア構成をとれます。FaxConnect 1会場で実験に
使う最も小型なものは、次のような構成です。

 ・ TOSHIBA Libretto
     - Pentium100MHz
     - 32MB RAM
     - 2.1GB HDD
 ・ PCMCIA Ethernet Card (10BASE-T) または Xircom Pocket Ether
 ・ PCMCIA Fax/Modem Card
 ・ Cannon BubbleJet Printer BJC50v

 Total ???? lbs.

ソフトウェア構成

WIDE版インターネットFAXは下図のモジュール構成をしています。
一度に多量のメッセージが送られた場合でも、すべてのメッセージは
一旦ハードディスク内のスプールに格納され、逐一処理されます。
したがって、システムに対する負荷が極端に増加することはありません。
また、送信されたメッセージをどのように中継するかは、
ルールデータベースに記述されます。この中継ルールは柔軟な記述が
可能であり、例えば送信元アドレスによって配送先を変更すると
いったことも可能です。

現在のところ外部モジュールとの通信機能は将来の拡張用としてのみ
用意されています。また、スキャナは今回のFaxConnectは未対応になっています。

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3. 入手方法/配付条件

WIDE版インターネットFAXはフリーウェアとして公開予定です。
入手方法や配付条件などは以下のURLを参照してください。
このページの内容は随時更新していく予定です。

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ifax-talk@ohnolab.org
Last modified: Tue Mar 9 04:08:14 1999