PICKLES Project Home Page
プラットフォーム
この情報は一部古い箇所があるため、近日中に更新します。
PICKLES SYSTEM
PICKLES SYSTEMはPICKLES端末で用いているOSです。現時点ではBSD/OSをベースにしています。PICKLES端末
はOSやアプリケーションなど通常コンピュータを利用して行う作業に必要なも
のをすべて内蔵のハードディスクに記録しています。この方式だと内蔵ハード
ディスクの内容の保守の負担が大きくなるのですが、PICKLES端末では利用者、
管理者の双方にとっての利便性を向上させるため、さまざま工夫を導入してい
ます。この工夫を実現するのがOSであるPICKLES SYSTEMです。
まずPICKLES SYSTEMではさまざまな基本的アプ
リケーションを標準で搭載しています。
PICKLES SYSTEMではハードディスクに記録されている情報を
端末間で共有できるものと、ホスト固有のものに分離しました。
まずPICKLES端末ではOSが管理している情報を次の5種類に分類しました。
- A. 端末ハードウェア固有の情報
- PICKLES端末の仕様では、ハードウェア構成に適度な自由度を持たせてい
ます。そのため端末ごとに異なる情報が存在します。
イーサネットインタフェースや
ビデオボードの種類といった情報がこれに含まれます。
- B. ホスト固有の情報
- IPアドレスやホスト名などの、ホストを識別するための情報がこれに
含まれます。
- C. 端末所有者が管理する情報
- ホームディレクトリやスプールディレクトリ、作業ディレクトリの
情報は、端末所有者の責任範疇とします。
- D. 共通の情報
- すべての端末で共有可能な情報です。OSやアプリケーションプログラムの
多くはこれに含まれます。
- E. 利用者の情報
- 公衆端末を利用する利用者の個人情報などはこれに含まれます。
PICKLES端末に搭載されている2台のハードディスクに、これらの情報を分離し
て格納しました。2台を
それぞれ「システムディスク」「ユーザディスク」と呼ぶことにします。
システムディスクにはすべての端末で共有可能な情報(D)のみを格納し、
ユーザディスクにはA,B,Cの情報を格納します。通常の運用ではPICKLES端末はユー
ザディスクとシステムディスクの一つづつを一組として動作します。
UNIXでは、ホスト固有の情報Bは/etc/、利用者が保持する情報Cは/homeや
/varといったように
ディレクトリごとに情報が分けられています。
そこで、これらの情報をユーザディスク中の異なるパーティションに置きました。
/etc/のディレクトリには共通の情報Dも多く存在するので、
ホスト固有のものBだけを抜き出して/etc3に格納しました。
ユーザディスクには置かれている情報Bは実際には/etc3/のディレクトリです。
/etc3/内の各々のファイルには/etc/ディレクトリからシンボリックリンクを
張りました。
これによって同じユーザディスクを使えば、システムディスクを交換しても
利用者から見てなんら違いはありません。
PICKLES端末
PICKLESプロジェクトで用いる公衆端末はPICKLES端末と呼ばれています。
PICKLES端末は現在IBM-PC/AT互換のコンピュータ(以下AT互換機)を元にしてい
ます。AT互換機には、市販の部品の組み合せで任意の構成の計算機を組み立て
られるという特徴があります。また、さまざまな部品が多くのメーカから提供
されており、誰でも低価格で入手できる。しかし公衆端末に任意の構成を認め
ると、その選択肢の多さから機能にばらつきを生じることになります。
そこで端末の構成についてのガイドラインを作成しました。
ガイドラインの内容から特徴的なものを以下に抜粋します。
- ディスプレイ
-
ディスプレイには大型のカラーディスプレイ(21インチ)を採用しました。
以前にくらべれば安くなったものの、現時点では大型ディスプレイは高価です。
しかし公衆端末には複数の利用者が同時に一つの画面を見ながら意見
交換するといった利用形態が想定されるため、あえて大型のディスプレイを採
用しました。
- ハードディスク
- PICKLES端末はIDE仕様のハードディスクを2台搭載しています。
2台のハードディスクをそれぞれ個別に着脱可能なケースに格納し、
容易に交換可能にしました。
異なる端末間でのディスクの可換性を確実にするために、
ハードディスクの仕様は細部にわたっています。
- PCカード
- PCカードのためのインタフェースを搭載した。
PICKLES端末は後述の利用者認証にPCカードを用いる。
PICKLES Project <pickles-talk@@ohnolab.org>
Last modified: Fri Aug 13 15:38:25 1999