stetho の概要
seteho --- ネットワーク聴診器システム
ネットワークトラフィックの観察は、ネットワーク管理にとって不可欠な作業です。
この作業は、通常MRTG, Netperfもしくはtcpdumpコマンドなどを用いて行なわれます。
これらは文字や画像として、トラフィック情報を提示しますが、刻々と変化する
多量の情報を、感覚的に把握することは大変な労力を伴います。
そこで私たちは、ネットワークトラフィックを音で表現するシステムを考案し
ました。このシステムを「ネットワーク聴診器システム」と呼んでいます。シ
ステムを用いたネットワークの観察は、医師が聴診器を使って患者を診察する
のに似ているからです。
ネットワーク聴診器システムとして、私たちはstethoシステムを作りました。
stethoはtcpdumpを入力とし、行単位で正規表現によるパターンマッチを
行い、当てはまった行に対応するMIDIイベント列を発生します。
下記の図は、stetho(1.1.x)の構成図です。
stethocast
stethocastは、stethoが出力したMIDI信号を音声に変換して、ネットワーク配
信するシステムです。stethoだけでなく、MIDI音源や配信サーバなど全てを含
めた、システムパッケージです。現在は、RealSystemを用いた
stethocast/Realと、MP3ストリームを配信するstethocast/MP3とがあります。
下記の図は、stethocast/MP3のシステム構成図です。
Netsound
NetSound
は
Sensorium
チームとの共同により開発された、メディアアート作品
です。これはstethoまたはstethocastを使ったコンテンツと位置付けられ、
NetSoundの仕組みについては、こちらを
どうぞ。
下記の図はNetsoundで用いているシステム構成図です。
結局これらの関係は?
端的に説明すると、以下になります。
- stethoはトラフィックをMIDI信号に変換するソフトウェア
- stethocastはstethoの出力をネットワーク配信するシステムパッケージ
- Netsoundはstethocastを利用したコンテンツ
Masahiko KIMTO <kimoto@ohnolab.org>
Last modified: Thu Jan 24 16:31:23 2002