Ubiquitous Computingがなにものかという点については本家の方でもいろいろな 説明がされていますが、ここでは私なりの理解と主張を含めた説明をさせて いただきます。
一番簡単で確実な方法は、自分のお気に入りのコーヒーをポットにいれて 持ち歩くことです(時間がたつと香りが逃げる、というのは置いておくとして)。 この方法は確実ですがポットを持ち歩く煩わしさはいかんともしがたいものが あります。
もし街中に喫茶店があればポットを持ち歩かなくてもコーヒーを飲むことが できます。この場合は喫茶店という空間の制約を受けますが、そのかわり ポットを持ち歩く必要はありません。
もっと気軽な喫茶店、例えばドトールのような持ち帰りのできる喫茶店が あったとしたらどうでしょう。通常の喫茶店よりは場所の制約は受けないでしょう。 ポットをもちあるく必要もありません。しかし街中の随所にそういったお店を 設置するのは容易ではありません。
もっと割り切ってしまって、多少は味は落ちるし自分の好みのものがあるという 保証はありませんが自動販売機を利用するという方法もあります。ポットを 持ち歩く必要はありませんし、(日本については特に)街のあちこちに自動販売機 はありますし、買ったコーヒーは自分の好きな場所で飲むことができます。
さて、いくつかコーヒーを飲むときのスタイルを挙げましたが、皆さんは どれを選びますか?これらはどれか一つだけで便利な環境が構築できるもの でしょうか。
上の例のコーヒーをそのまま「情報」に置き換えてみてください。現在の社会の 中のいろいろな情報サービスを考えてみて、足りないものはなんでしょうか。
ほぼ間違いなくそんなことにはならないと思います。話は逆だと思います。 いろいろな家庭電化製品のなかに徐々にコンピュータが入り込んでいって 少しづつ少しづつ便利になっていく。それがUbiquitousComputingです。 実際、最近の家電製品の多くはコンピュータを内蔵していますよね。 UbiquitousComputingとは、ごく自然な流れなのです。