全体の流れは、次のようになっています。
例えば、パスワードエントリは次のようになります。
nmw:*:4646:30::0:0:Pseudo User for NMW System:/home/ nmw:/bin/csh
ユーザID、グループIDを適切に設定して下さい(この例の数値には特に 意味はありません)。グループはwheelグループである必要はありません。 特にパスワードは必ず設定して下さい。
また、この作業も含めて、NMW Systemを通常インストールするために はroot権限が必要ですが、root権限を使わないインストール方法もあり ます。ただし、現在のNMW Systemは認証システムをはじめ、セキュリテ ィに関する部分は実験中の部分が多く、一般ユーザ個人の権限で運用す る場合、セキュリティに細心の注意を払う必要があります。root権限を 使用せずにインストールする場合は、この作業を行なう必要はありません。
rootインストール : % cp Makefile.root Makefile 非rootインストール: % cp Makefile.nonroot Makefile次に、コピーした Makefile の 14行目〜27行目(非rootによるインストー ルの場合は15行目〜30行目)までを次の説明を参考にして編集して下さい。
------------------------------------------------------------ CC : Cコンパイラの指定 MAKE : makeプログラムの指定 BINDIR : wsd,wormc(実行形式)を置くディレクトリ NMWDIR : wsdのログ、出力結果が置かれるディレクトリ NMWTMP : wsd等が使う一時ファイルが置かれるディレクトリ CONFDIR : wsd.confが置かれるディレクトリ OWLLIBDIR : OWLのライブラリファイルが置かれるディレクトリ OWLBINDIR : scmが置かれているディレクトリ OWL_EXECPATH : OWLが呼び出すコマンドのパス NMWUSER : NMW System 用のユーザのユーザ名 NMWGROUP : NMW System 用のユーザのグループ名 SCMLIBDIR : すでにインストールされているscmのライブラリ ディレクトリ ------------------------------------------------------------NMWDIR, NMWTMP, CONFDIR, OWLLIBDIR, OWL_EXECPATH で指定するディ レクトリは、NMW System が常時利用するものです。NMW Systemはその 性格上、各マシンごとに別々の設定を行なう必要があります。このため、 複数のマシンでマウントしているディスクにインストールすることはさ け、特殊な場合を除いてはローカルのディスクにインストールして下さ い。そのために、NMWDIR, NMWTMP, CONFDIR, OWLLIBDIR, OWL_EXECPATH で指定するディレクトリはローカルのディスクである必要があります。
OWL_EXECPATH は OWL が実行可能なコマンドが置かれているディレク トリを指定します。UNIXのシェルプログラムである「sh」のPATH環境変 数と同様にして記述します。また、インストール時にOWLが用いる標準 的なコマンドが $(OWLLIBDIR)/bin へインストールされるため、 OWL_EXECPATH にはこのディレクトリを含めるようにします。 OWL_EXECPATH を設定しない場合、OWLは外部コマンドを読み出すことが できません。
NMWUSER, NMWGROUP は NMW System を動作させるユーザのユーザ名と グループ名を指定します。決定したユーザ名を NMWUSER に、グルー プ名を NMWGROUP に記述して下さい。
SCMLIBDIR はすでにインストール済の scm が起動時に読み込むファ イルが置かれているディレクトリを指定します。NMW System はインス トール時にこのディレクトリにあるファイルをもとに、NMW System用の scm初期化ファイルを作ります。このディレクトリに Init.scm, Transcen.scmの2つのファイルが存在していることを確認して下さい。
---------------------------------------------------------- HOME : NMW System をインストールするディレクトリ NMWUSER : インストールを行なうユーザのユーザ名 NMWGROUP : インストールを行なうユーザのグループ名 ※他は「rootによるインストール」と同じ。 ------------------------------------------------------------「非rootによるインストール」では、rootでないユーザでも書き込む ことが出来るディレクトリに下に、インストールを行ないます。そのよ うなディレクトリとして、例えばテンポラリディレクトリやホームディ レクトリが考えられます。そこで、そのディレクトリを Makefile中の HOMEというマクロによって指定します。例えば、/usr/tmp の下にイン ストールする場合は
HOME = /usr/tmpとします。他の部分については、「rootによるインストール」を参考に して下さい。ホームディレクトリにインストールする場合は、ホームディ レクトリが複数のマシンからマウントされている場合に、マシンごとに wsdの設定を行なうことが出来なくなるためあまりお勧めはできません。
SunOS 4.1.3 % make OS=SUN4 NEWS-OS 4.2.1R % make OS=NEWS BSD/OS 1.1 % gmake OS=BSDOS1 BSD/OS 2.0 % gmake OS=BSDOS2 FreeBSD 2.0 % make OS=FreeBSD2たとえば、SunOS の場合は、
% make OS=SUN4のようにmakeを実行します。ただし、このときコマンドラインから実 行する make は Makefile 内で指定している make と同じものを使って 下さい。
% make install具体的には、次のような作業が行なわれます。
実際に行なわれる作業を確認したいときには、次のように
実行してください。
% make -n install
wsd 6464/tcp # for Worm Support Daemon (NMW)ポート番号はnmw.hで設定しています(ただし、ポートを変更するために、 nmw.hを変更した場合は再コンパイルしてください)。
kuro mike nora | | | o------+------+------+-----o animal-network | xxx.xxx.xxx.xxx pochi 255.255.255.zzz | o----+----+---+-------+----o vehicle-network | | | yyy.yyy.yyy.yyy car bus bicycle 255.255.255.wwwこの図は、animal-network,vehicle-network という2つのネット ワークがpochiというゲートウェイを通じて接続されている様子を表 しています。
図中の7つのホストすべてにNMW-systemを導入する場合、すべての ホストでwsdを動作させる必要があります。
また、この場合 pochi の wsd.conf は次のようになります。
: animal-network xxx.xxx.xxx.xxx 255.255.255.zzz
kuro
mike
nora
: vehicle-network yyy.yyy.yyy.yyy 255.255.255.www
car
bus
bicycle
同様にして、その他のホストにも wsd.conf が
用意されている必要があります。
環境に合わせて設定してください。
% wsd非rootによるインストールの場合は、一般ユーザ権限での実行で結構で す。
ホストpochiでnmwユーザになり(非rootによるインストールの場合は
この必要はありません)、次のようにすると各ホストのプロセスの状況
を調査するワームが放たれます。
% /usr/sbin/wormc -worm /usr/local/lib/owl/sample/ps.owl
wormc はローカルホストの wsd にワームを転送するコマンドで、
wormc -worm [ワームのファイル名]
のようにして使用します。
wsd は受け取ったワームを解釈し実行します。この場合、近隣の転送 可能なホストのwsdへワームを転送します。ワームは各ホストに転送さ れ作業を行なう(この場合psコマンドでプロセスの状況を調べる)と、結 果を持って戻って来る(転送される)ことになります。
pochiのwsdでは、ワームが実行結果を持って帰って来ると、その結果 をインストール時に NMWDIR で設定したディレクトリにファイルとして 書き出します。 (デフォルトでは/var/nmw/result か /usr/tmp/lib/nmw/result)。 この例では、pochiから6つのホストへwormが放たれ、それぞれホストで のワームの作業結果が書き出されるため、6つのファイルができます。 問題なくインストールされていれば、このディレクトリに結果のファイ ルができているので、確認して下さい。wsd の動作ログも /var/nmw/log/wsd.log、あるいは、~/lib/nmw/log/wsd.log として作ら れているはずです。
また、標準では/usr/local/lib/owlというディレクトリにワームのサ
ンプルがいくつかインストールされています。動作させて、確認してみ
て下さい。各サンプルの詳細については、以下のファイルを参照して下
さい。
/usr/local/lib/owl/samples/README.samples
(非rootの場合は、/usr/tmp/nmw/lib/owl/samples/README.samplesなど)